2008年06月19日
思い出の品
店には手作りのアクセサリーも置いています。
クラフト作家さんの作品です。
僕自身も天然石を主体にしたブレスレットやネックレス程度は作れますが、お客さんは、僕が作品のすべてを作っていると思うのか、無理な注文もいくつか来ます。
石そのものに穴を開けてくれ、とか、お気に入りの石をピアスに出来るよう加工してくれ、とか、中には外国で見つけた宝石の原石を磨いてくれ、とか・・・僕、この前までは、ただの学習塾の講師してたんです・・・こんなの、職人の域の業です。
勿論、そういった注文には「ごめんなさい」と丁重にお断りします。
しかし、高齢の方がバッグから昔のアクセサリーを持ち出して「これ直らないかしら」と言って持って来られるケースは珍しくありません。
モノを拝見すると、大抵高級そうなアクセサリーです。今日は上質のラビスのアクセサリーでした。
数日前は、ベネチアンガラスがいくつも連なったお洒落なネックレスです。一つ一つのガラスのパーツはすべて柄が異なっています。糸が切れて落としたときにいくつか割れたようです。数も揃っていません。
でも、見るからに高級そうなものです。
それを持ってきたご老人は、「もうだめだとわかっているからいいのだけど、何とかなれば良いと思って・・・」とおっしゃいました。
「何とかしましょうか」と引き受け、作成にかかりました。
糸の部分は何とでもなります。
接続部分は磁石のJOINTに変えて・・・問題は割れたパーツ部分です。
代わりに大小の水晶を組み入れると、意外と綺麗なデザインに出来上がりました。
それをお渡しすると、とっても喜んでくれました。
そのアクセサリーは、40年ほど前にご主人さんが始めて買ってくれたモノだったらしいのです。
ご老人「当時は私もこの価値が分からずにね、『これって本物なの?』って聞いたのよ。すると主人が『当たり前だろ〜っ』って怒っちゃってねぇ」と、ほほえましい思い出話が始まりました。
ご老人「この柄派手でしょう?今の私には似合わないから、娘にでも使ってもらえるかしら」
けんと「いえいえ、お客さまに良く似合っていますよ。大丈夫です」
お世辞ではなく、イタリアの上品な色合いは本当に似合っていたのです。それに、そのアクセサリーをしてご主人の前に出たときに、旦那さんがどんな顔をされるのかも見たかったのですよね。
でも・・・
ご老人「でも、直ってよかった。今となっては主人の形見なんですもの」
けんと「えっ・・・」
ご老人「じゃ、どうもありがとう。」
修理代は石代だけで700円ほどでしたが、何かいい仕事したなぁ、って気がしました。
これだけではなく、昔のアクセサリーを持ってこられる方は、多かれ少なかれ何らかの思い出が詰まった品なのですね。
いい仕事をさせてもらってこちらが逆に感謝です。
ただね。。。。
次は何か買ってや。





